[ 006 YANGGAO MOOLA & KAYO vol.3]

今回はタイから帰国して『YANGGAO』がOPENする時のお話から、現在に至るまでのお話をお伺いさせて頂きました。

Vol.3は特別バージョンでおふたりに登場して頂き、個性的でスタイリッシュな店舗デザインのお話や、オリジナル商品の『お土産』を制作される時のお話、コロナ禍でおふたりが大切にしている想いを教えて頂きました!ぜひお楽しみください!

ー3階という飲食店では珍しい立地ですが、なぜこの場所を選ばれたんですか?

ムラ:最初は繁華街で物件を探してたんです。でも僕らの探している条件の物件自体がなくて。

立地場所の幅を広げて名古屋市内の物件を不動産屋さんに色々紹介して頂いていたのですが、それでも希望する条件や予算に合う物件となかなか出会えなかったんです。

ある時「ここはどうですか?」と今の物件を教えて下さって。不動産屋さんの中で飲食店をやるなら路面店が立地的に良いという暗黙のルールがあるみたいで、3階だっだ今の物件は「条件には合うけれど立地的にダメだろうな」と先入観があったみたいなんです。「やっぱり3階は微妙ですよねー」って感じだったんですけど、最初に見た時から「ここ、いいなぁ!」って思って。

カヨ:他にも迷っていた物件があったんですけど、私もこの物件がやっぱり気になって。駅からも近くて住まいからも徒歩圏内な事も私達にとってはメリットだったので、この物件に決めました。

「お店をやるなら『ランドスケーププロダクツ』の中原慎一郎さんにお願いしたい」と思っていて、中原さんに「この物件で飲食店をやろうと思っているんです」とご相談させて頂いたんです。そうしたら、わざわざ物件を見る為に名古屋まで足を運んで下さって。

その事だけでも嬉しかったんですが、「ここをこうできるか確認してみて」と具体的なアドバイスまでして下さって。早速大家さんにも施工の相談をさせて頂いたら良いお返事を頂けたんです。

大まかな店舗レイアウトは夫が考えて、図面などの細かなディテールは『ランドスケーププロダクツ』チームに、専門的な施工や工事は業者さんにお願いして、工事がスタートしました。

予算の兼ね合いで自分達で出来る所は2人でDIYしながら仕上げていきました。

その時も施工に入って下さっていた職人さん達が私達の事をすごく気にかけて下さって。

床や壁を塗装する時も道具を貸して下さったり、塗り方のコツを教えて下さったりと何かと声をかけて下さり、さりげなく力を貸してくれました。

ーお店に並ぶ家具も素敵だなと思ったのですが、どのように選ばれたんですか?

カヨ:家具は内装デザインをお願いした『ランドスケーププロダクツ』チームの方に選んで頂いたものや家具の作家さんを紹介していただいてオーダーで制作しました。

ムラ:でも全部選んで頂いた家具だと予算オーバーで。どうしようかな?って思っている時に中学校の椅子がリサイクルショップで売っているのをたまたま見つけて。

これを自分達らしくアレンジしたら良い感じになりそうだなって思って。

カヨ:早速、中原さんに「こういうのを見つけて手を加えて使おうと思うんですが全体のバランス的に大丈夫ですか?」ってご相談させて頂いたら「こっちに変えても良いかもね。」と言ってもらえて。そんな風に自分達でも工夫して手を動かしながら仕上げていきました。

ー店名とインパクトのあるロゴデザインはどうやって決められたんですか?

ムラ:僕がタイのレゲエバンド『Srirajah Rockres』の『クーガオ』っていう曲が好きで。『クーガオ』が日本語に訳すと『まだ現役』とか『今も良い感じ』みたいな意味でいいなって思ってたんです。でも『クーガオ』って日本人が聞くと仮面ライダーの様な、ちょっと強そうなイメージがあって店名にするのはちょっとなぁって思ってて。

タイ人の友人、Puaneちゃんに相談したら「意味合いが『クーガオ』に似た言葉でチェンマイの方言に『ヤンガオ』っていう言葉があるよ」って教えてくれて。『いつも通り』っていう言葉の意味も良くて、それで店名を『YANGGAO』に決めました。

ロゴデザインは、簡単なラフだけ僕が書いたんですけど、『CLUBPOPP』っていうタイの友人にデザインをお願いして作って頂きました。

彼の作品が好きでYANGGAOの店内にも彼の描いたタイの前王様の絵が飾ってあります。

ーガラス窓のロゴデザインもすごくカッコイイなと思ったのですが、こちらのデザインはどなたがされたんですか?

ムラ:僕がデザインしました。あえて日本語や英語を使わずにデザインしたんです。

『タイカレー食堂』って大きく日本語で出してしまうと、何屋さんか分かりやすさはあると思うんですけど、それだと自分達が大切にしている空気感が伝わらない気がして。

お店作りをする上でどんなお店もコンセプトって必ずあると思うんですよ。

そのコンセプトや空気感を伝えるためにデザインがあって、デザインの力でターゲット層にお店の気持ち良いグルーヴ感や自分達の思いを伝えられるって思っていて。

自分達の大切な場所を作るならちゃんと空気感が伝えたかったので、あえて説明しすぎないこのデザインに辿り着きました。

ーOPENされてすぐは、どんな感じでしたか?

カヨ:OPEN当初、メニューがカレー1種類だったんですよ(笑)

ムラ:めっちゃ不思議な店だよね(笑)

カヨ:何にも知らずに来てくださったお客様が「一種類しかないんだ」って言う感じで(笑)1ヶ月ちょっとした頃、カレーが2種類に増えて選んでいただけるようになりました。

OPENしたばかりの頃は、お客様が数人だった日もあったりして、2人で「お客様、来ないねー」「そうだねー」って言いながら過ごしてました(笑)

ー不安な気持ちになったりしませんでしたか?

ムラ:そういう気持ちにはならなかったですね。この時間を上手く活用して新メニューの試作を作ったり『お土産』のアイデアを出し合ったりして、有意義に過ごしていました。

カヨ:次に繋げる為の準備もしっかり出来たし結果的に充実した良い時間になりました。

ーオリジナル商品の『お土産』はどんな事がきっかけで作り始めたんですか?

ムラ:自分がどこか遊びにいった時に思い出になるものが買えないのってすごく嫌なんですよ。

例えばライブに行っても会場限定の何かが売ってなかったら「ライブ行った意味ないな」って思うくらいモノが大切で。

企業だったり飲食店だったりのTシャツとかのノベルティグッズも元々すごく好きだったんで、それで『自分がお店をやるならオリジナル商品を作ろう』てずっと考えてたんです。

基本的には自分達が欲しいものしか作らないスタイルで、「何を作ろうかな?」って考えている時間も楽しいので、コンスタンスに製作しています。

最初の『お土産』は実店舗をOPENする前にタイの友達の反応が知りたくて、カレーを食べてもらえる音楽イベントをタイでしたんです。その時に袖のところにYANGGAOプリントが入った長袖のTシャツを販売したのが始まりでした。

それから新しいデザインのTシャツや帽子、食器にキーホルダーやエコバッグだったりとアイテムが増えていきました。

カレーもそうなんですが、お土産を作る時は「タイの友達に気に入ってもらえるかな?」っていうひとつの基準がいつも頭の片隅にあって、そこは必ず意識しながらデザインしてます。

基本的にはアイデアはふたりで考えて僕がデザインとして形に落とし込んでいくんですが、コンセプトによってはデザインやイラストを自分達以外の方にお願いする事もあります。

嬉しいお声掛けを頂くこともあってイベント限定などのコラボレーション商品を制作する事もあり、僕自身がいつも楽しみながら作っていますね。やっぱり自分自身が楽しんでないと伝わるものも伝わらないと思うので、そういう事もモノ作りをする上で大切にしています。

純粋に自分達が欲しいと思うモノを作って販売しているので、僕達の価値観に共感してもらえて購入して頂けているのは、やっぱり嬉しいですね。

ー犬のプリントが大きく入ったTシャツが個人的に好きなんですが、どんな風にデザイン案は浮かんだんですか?

ムラ:あのTシャツは90’sの古着のTシャツに犬や猫の顔が大きくドーンとプリントされてるモノがあって。多分キャットフードメーカーのノベルティだと思うんですけど、それが可愛いなと思っていて。

でも、「ただ単に可愛い動物をプリントしても意味がないね」ってなって。

タイの前王様が犬好きで保護犬を飼ってたんですよ。それで意味を持たせるんだったらそのタイの王様が飼っていた犬をデザインにするのはどうかなって思い付いて。

でもその犬の写真をプリントしてもつまらないから、絵を描いてもらいたいなって思った友人『伊達努』くんにコンセプトを伝えてイラストにしてもらったんです。

カヨ:あのTシャツに関しては売上の一部を動物愛護団体に寄付させて頂いているんです。

そういう風に自分達が楽しんでやっている事が社会貢献につながる仕組みに成れたのも良かったなと思います。

ーSNSもお店の情報を発信するための大切なツールだと思うのですが、ルールなど決めていることなどはありますか?

ムラ:今現在『instagram』『Twitter』『Facebook』『Google map』を利用しているんですが、全部ちゃんと更新するようにしています。それと、あえてInstagramでお客様をフォローしないようにしています。

「あの人はフォローして、この人はフォローしてない」みたいな感じを出したくなかったので、そうする事が自分達の事を気にかけてくださるお客様に対して真摯な行動なんじゃないかと思いそうしています。

ーコロナ禍で変化した事や、今後の新しい展開などはありますか?

ムラ:マスク着用のお願いやパーテーションの設置、エタノール消毒を完備したり、空気清浄機を店内に設置したりと、他にもお客様が安心してご来店出来るように出来る限りの事はすぐに取り入れました。

カヨ:営業時間も変化したんですが、イベントへの参加も今は控えるようにしています。

高齢の両親と同居している事もあって、私達が無理な行動をする事によって移したりしたくないですし、何よりお店に足を運んで下さるお客様にも不安な思いや嫌な思いをさせたくないと思っていて。

コロナ禍で状況が目まぐるしく変化している中、今までの様にコンスタントにイベント出店や参加させて頂くことが難しい時もやっぱりあって。そういう時は自分達自身が心地よく楽しめる状況になるまで無理せず過ごそうと思っています。

ムラ:その分『お土産』を制作する時間が出来たので、新しいアイテム作りに励んでいたり、僕がタイにいる時に好きで良く食べていた『プーパッポンカレー』を提供できるように準備してたりと、常に次のことを考えながら自分達のペースでこの時間を有効に活用しています。

久しぶりに来てくれてお客様もメニューに変化があれば喜んでもらえると思うし、お店に遊びに来れない方には『お土産』を通して『YANNGGAO』を楽しんでもらえたら、それもいいなと思ってます。

いろんな状況の変化があっても自分達のスタンスは崩さずに常にワクワクすることに取り組み続けて行きたらいいなって思っています。

カヨ:本当に有難い事に全国各地からOnline shopでお買い物をして頂いていて。実は、Online shopの半分くらいはリピーターの方がご購入して下さっているんです。

今はコロナ禍で直接会えないお客様に、こうして興味を持って頂ける事がシンプルに嬉しいですし、そういうお客様の気持ちを裏切らないように喜んでもらえる事を続けて行きたいと思っています。

ムラ:これからも『YANGGAO』らしさを常にアップデートしながら、自分達もお客様も楽しめる事をどんどん発信して行けたらいいなって思ってます。

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