大人気の『くまパン』に種類豊富な『カンパーニュ』その美味しさで沢山の人を笑顔にしている『 SIBERIA 』
今回は名古屋市昭和区で奥様と一緒にベーカリーを営んでいる『 SIBERIA 』の大脇 勝さんにインタビュー
修行時代のお話や新メニューが生まれる時のお話、そして様々なコラボレーションの誕生秘話など、穏やかで柔らかいお二人の空気感と共にお伝えしたいと思います。ぜひお楽しみください。
ー今回は取材をお引き受け頂きありがとうございます。では早速、幼少期のお話からよろしくお願いいたします。
出身地は三重県です。中学生の時に家族で名古屋に引っ越しをして、それからはずっと愛知県に住んでます。穏やかで優しい父と母、6歳離れた妹との4人家族でした。
両親は僕から「やってみたい」と言った事は、何でもチャレンジさせてくれて『習字』『そろばん』『空手』とたくさん習い事をさせてもらいました。
いつも僕の好奇心に寄り添って育ててもらえた事に、今も感謝してます。
高校生の頃から、いろんな音楽を聴くようになって、友人の誘いでバンドを組んでベースを引いていました。その頃は楽器を買うためにアルバイトばかりしてましたね。
ベースの練習にバンドのLIVE、アルバイトと忙しいながらも充実した時間を過ごしてました。
ー高校卒業後の進路はどうされたのですか?
高校卒業後は大学へ進学し、経済学部で学んでました。
「卒業後に何がやりたいのか?」自分なりに考えていたのですが、なかなかこれというものに出会えずにいた時、当時住んでいた地域に、おいしいなーと思って買いに行っていた昔ながらのパン屋さんがあって。そこが求人募集していたので、まずはアルバイトから雇用していただきました。
でも、製パン学校などに通ってなかった僕にとっては、ゼロからのスタート。思っていた以上に大変でした。
午前3時から仕込みが始まり、立ちっぱなしの中での力仕事、高温のオーブン前に長時間いる事も多かったので、体力勝負でしたね。
でも知れば知るほどパンの事をどんどん好きになっていって、大変は大変だったんですが充実した日々でした。
勤めていた会社は個人経営のベーカリーだった事もあり、『仕込み』『製造』『陳列』『接客』まで担当を設けずに従業員が全ての業務に携われるような環境だったんです。
そのお陰で少しずつですが任せてもらえる事や出来る事も増えていって、気付いたら全ての業務をこなせる様になってました。
6年半経った頃にオーナーから「もう、教える事はない」と言ってもらえた事をきっかけに「違うパン屋でも経験を積みたい」という気持ちが膨らんできて、転職する事に決めました。
転職先のパン屋では7年弱勤めたのですが、沢山勉強させて頂きました。
ーお店を開業するきっかけになった出来事はありました?
パンの道に進んだ頃から「いつかお店を持てたら良いな」とは思ってはいたんです。
でも「いつ」っていうのは、はっきりしないまま資金をコツコツと準備している感じでした。
「何かを始める」ってなると「それまでの事から離れる」っていう行動も必要になるじゃないですか?やっぱりそれにもパワーが必要なので、なかなか最初の一歩を踏み出せないでいたんです。
そんな中、常滑にある自家焙煎コーヒー専門店『KEDI BASKAN』さんにコーヒーを飲みに行って、その時にすごく良い刺激を受けたんです。
古民家を改装し御自身でDIYして作られたお店に、ヴィンテージ家具が並んでいる空間がすごく素敵で。元々、洋服も古着が好きで、古くて趣を感じるものが好きな僕達には凄く魅力的に映って。
何よりも、ご夫婦お二人でお店を営んでる空気感がすごく良いなって思って、何回か通う内にオーナー夫婦とお話しする様になって、自分のお店を持つということをより具体的に考える様になりました。
それからは、独立した先輩に開業の相談をしたり、必要なものを調べたりと具体的な準備を進め始めたんです。
物件を探し始めた頃は、当時住んでいた三河方面で探していて、いろんな場所に足を運んだのですが、なかなか広さや家賃など条件に合う物件が見つからずにいました。
そんな時に、色々と相談に乗っていただいていた『STORE IN FACTORY』の原さんから今『SIBERIA』のある「白金エリアとかはどうかな?」ってアドバイスを頂いて。
その辺りに土地勘もなくて、調べてなかったエリアだったんですけど、探し始めてすぐに今の物件に辿り着いたんです。
大家さんも、とても優しい方で色々とご相談に乗って頂いたり、お願い事にも快く対応して頂けたりと、本当に良くして頂いて。
大家さんのお人柄と、立地の環境がほぼ理想通りだったこともあって、ここに決めました。
内装は、僕達が好きなヴィンテージテイストにして、お店のメインになるパンカウンターはサイズ感にもこだわったオーダーメイド。
お店の雰囲気に合うように、アンティーク家具のような手彫りの装飾を施し、細部までこだわりが詰まっているお気に入りのパンカウンターです。
『SIBERIA』には看板がないので、ガラス張りの大きな窓から見えるパンカウンターを目印にご来店して下さる方もいらっしゃって、知らず知らずのうちにアイコンのような存在になったのも嬉しい気付きでした。
こうして、出会って下さった様々な素敵な方の大きな力をお借りしながら、2019年12月19日に『SIBERIA』がOPENしました!
ーOPEN当初、大変だった事や予想外だった事はありますか?
OPENした当初は色々な方がお知らせをして下さった事もあり、そのお陰で沢山のお客様に足を運んで頂けて賑やかなスタートを迎えさせて頂きました。
OPENして3ヶ月が過ぎた頃『コロナ』が始まり、『STAY HOME』によってお家で過ごされる方が増え、持ち帰って楽しむことができるパンの需要が上がったのを感じました。
それまで以上にパンが売り切れてしまわない様に出来る限り作り続けるようにしたり、ご来店頂いたお客様がご安心してお買い物出来る様に入り口に消毒をご用意し入店制限を設けたりと、コロナ禍での出来る限りの対策を取り入れ、基本になる自分達の体調管理もより一層気を引き締めて生活するようになりました。
ふたりで営業している為、混雑時にご案内等が出来ない様な時も自主的に店外でお待ちくださったりと、お客様の気配りや心配りにも日々たくさん助けて頂いてます。
ー店名の『SIBERIA』はどうやって決められたんですか?
店名にはあまり意味合いを込めたく無かったんです。
でも覚えやすくて、短すぎず長すぎない文字並びの良い名前が良くて。
いざ決めようってなったら意外と難しくて(笑)
なかなか良い案が浮かばずにいた時、妻とCDをバーっと並べて「よし!この中から選ぼう」ってなって(笑)
その中の一つが『SIBERIA』でした。
自分達が思っていた「覚えやすさ」と「文字並びの良さ」も兼ね備えていて、2人で「これいいね!」ってなって決めました。
ーショップバッグのアイデアが素敵だなと思ったんですが、あのアイデアはどんな風に思いついたんですか?
ショップバックのアイデアは妻の提案だったんです。
凄く良いアイデアだなって思って、すぐにそれに決めました。
中に入れるチラシは『STORE IN FACTORY』さんにイメージをお伝えしてデザインをお願いしました。
たくさんデザイン案を出して頂けて、どれも凄くカッコ良くて迷いに迷ったんですが、その中から今のデザインを選びました。
お気に入りのショップバッグなんですが、エコバッグ文化が進んでいるので、なかなか出番がなくて(笑)もしショップバッグがご入用の際には、是非ご利用下さい!
ー『SIBERIA』さんといえば『くまパン』を思い浮かべる方も多いと思うのですが、大人気の『くまパン』のアイデアはどんな風に思いついたんですか?
お店の近くに公園や保育園があったので、お子様に喜んでもらえるパンを作りたいなぁと思って考えました。
「やっぱり動物のパンがいいよね」となって、作ってみて一番可愛かった『くまパン』にしました。
『くまパン』のクッキーは妻がいつも焼いているんです。他のパンは僕1人で作ってるんですが、このパンは2人で作ってる唯一のパンだったりします。
時々ですが限定バージョンも登場するので楽しみにしていて下さい!
ー自家製酵母を使ったカンパーニュも種類が豊富で個性豊かな具材が多いのですが、メニューを考える時はどんな風にアイデアが浮かぶのですか?
なんとなく「これどうかな?」って思ったものを組み合わせたりして試作品を実際に作るところから始まる感じですね。
試作品を2人で食べてみて「これ、いいねー」みたいな感じで、ほのぼのと生まれてくる感じが多いです(笑)
緻密に計算してっていうよりは、その時の閃きやフィーリングで新メニューが誕生することが多いですね。
ーパンの種類は全部で何種類くらいありますか?
今は全部で40種類くらいはあります。
この地域は小さなお子様やお年寄りも多い地域なので、ソフト系のパンもしっかりと作りながら、僕の好きなカンパーニュのようなハード系のパンも作っていきたいなと思っていて。
40種類全てが同時に並ぶことは、仕込みや焼き上がり時間の兼ね合いで難しいのですが、午前中にソフト系のパン、午後にハード系のパンが並ぶように今は焼き上がり時間を調整しています。
夕方になると会社帰りの方や、お子様のお迎え帰りの方も立ち寄って下さるので、その時にパンが売り切れてしまっていないように、一番人気の湯種食パンをその時間帯に焼き上がるようにしてます。
せっかくお立ち寄りして下さった方にパンが提供できないのはなんだか申し訳ないですし、お店に足を運んで頂けることが何よりも嬉しいので、今後も出来る限りそうしていきたいです。
バター・生クリーム・卵不使用で、シンプルな材料ならではの美味しさが詰まった食パンなので、是非食べて欲しいです。
ー『SIBERIA』さんのお店を拠点としたコラボイベントの開催を楽しみにしている方も多いと思うのですが、どのようなきっかけでスタートしたのでしょうか?
実は僕達からイベントを企画している訳ではないんです。
いつも素敵な方々からお声掛けを頂いて、その方々に身を委ねていると、いつの間にか凄く素敵なイベントになっているっていう感じなんです。
形としては『間借し』に近い感じなのかも知れないんですけど、場所を利用して下さる方が楽しみな企画を考えて下さるんです。
他にも僕達が出店させて頂いたり、『SIBERIA』のパンをアレンジしたコラボ商品にお声掛け頂いたりと、アイデアやパワーがある方との出会いのお陰で、いつも良い刺激をたくさん頂いています。
僕達がお店を持つきっかけになった『KEDI BASKAN』さんには『SIBERIA』のパンに合う深煎りでコクがある珈琲豆をオリジナルブレンドで焙煎して頂いてます。
珈琲豆の袋売りはもちろん、気軽に飲んで頂けるドリップバッグもご用意してますので、是非パンと一緒に味わって下さい。
こんな風に様々なカタチで素敵な方と一緒にコラボレーションして頂ける事や、新しいきっかけを僕達に作ってくださった皆さんには本当に感謝しかないです。
コロナ禍で、まだまだ落ち着かず大変な時でもありますが、これからもお客様に喜んで頂けるように、美味しいパンを心を込めて焼き続けていきたいと思っています。
新型コロナウィルス感染症対策について
『アルコール消毒』『三密の回避』『検温』『マスクの着用』など
感染症対策を徹底した上で取材・撮影を行なっております。
また、撮影対象者のみマスクを外して撮影しておりますが
充分な距離を保った上で撮影させて頂いております。